花祭の里

2003年9月15日
親の実家が奥三河にあり、転勤した今でも時々訪ねています。花祭で有名な里です。
なぜか縁があって、学生時代は一時民俗学関係のサークルに身をおきて、もっぱら兄とともに三・遠・信の祭(特に湯立て神楽)に足繁く通い、のめり込でいきました。折口信夫らのいう花狂いに近かったかもしれません。

実家屋敷を建て替えたのが文政初期であり、ぼちぼち200年になろうとしています。元禄元年の財産分与証書によれば当初から屋敷があったことが窺われ、もともと養蚕を重視した船?造で中2階がたいへん広いようです。昭和30年代まで石置屋根でしたが、伊勢湾台風の際に危うく吹き飛ばされそうになり、瓦屋根に変更したものです。

亡くなった祖母が私が子供の頃、夏休み中に長期滞在していると、座敷わらしや妖怪の話など面白おかしく聴かせてくれました。周囲の風景がどんどん変化しています。かつて柳田國男も評価した郷土誌の中にも出てくる話もあり、もっと詳しく聴いておけばよかったと悔やんでいます。

小さな田舎の山村における後世の歴史に大きな足跡すら残すこともない先祖の古文書や口承伝承ですが、少しでも残していきたいと思っています。葛篭に保管されていた膨大な道中日記や土地関係(永代譲渡等)、訴訟関係の古文書の数々。整理して目録化するのは一苦労でした。最終完成させた親の努力に乾杯!今後少しずつでも暇をみつけて協力していきたいです。

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