ある自主制作映画
マスコミでも紹介されたのですが、関東のある小学校の映画クラブ(製作)6年生がいじめを扱った自主制作映画「本当の友達」。もちろんフィクションなのですが、作品のできばえが素晴らしい。40名近くの児童が製作に関わっていく中で、仲間の上履き隠しをきっかけに始まった集団によるいじめの過程やいじめの本質に迫り、何気な(いじめ)言葉の重み、与える影響、いじめの連鎖を断ち切る勇気などに気づいていく過程にとても感動しました。先生方の普段からの児童に対する関わり方や努力は並みたいていのものではなかったと思います。人権教育も含めて非常にきめこまかく取り組まれている学校ではないかと思います。
やっと映画「早咲きの花」を見ることができました。
オープンニングは主人公の目の検査に続き、名鉄電車の描写・・・はじめは国府駅あたりかな?、それから市電、ハンテンボク並木、校舎、二段グラウンド、旧多米小学校、三河大島、市公会堂などなじみの場所が登場して、少し不思議な気持ちになりました。
広島の原爆投下の翌日、昭和20年8月7日午前の豊川海軍工廠の被爆の描写については、書籍や年輩の方からいろいろお話を聞いたりしていましたので、格別の思いを抱きながら見ました。工廠跡のシーンの撮影は8月7日に合わせたそうですね。
爆死者2000数百人、そのうち動員学徒の死者は400人以上。惨状を伝える話は悲惨なものでとても書くことはできません。被爆後に撮影された写真に、飴のように曲がった鉄骨、瓦礫の山がありますから、推して知るべしです。私が通っていた小学校にも多くの被爆者がトラックや戸板などで運ばれてきたと言います。主人公の兄が同級生たちと逃げ惑い、はぐれた友達を呼び合いさまよいながらやがて爆死する映像を見て、涙があふれて止まりませんでした。
そのときナジム・ヒクメット作詞の「死んだ女の子」の訳詩フレーズが頭に浮かんできました。こちらは広島の原爆で死んだ七つの女の子のことを歌ったものですが、それがオーバーラップされました。
幼い子供たちを奪った戦争の悲惨さを思い、二度と同じ過ちを繰り返さないためにも、身近にあったこの出来事を次の世代に語り継いでいかなくてはいけないと強く思いました。

(追記)
最近もある歌手で「死んだ女の子」は有名になりましたが、高石ともやさんバージョンが素朴でいいかな?