アルツハイマー病により認知症を起こしている母親を連れて通院した。この1年ほどで症状がかなり進行している。病院に行こうと促したが、絶対に嫌だと言い張ってから1年が経過した。
妄想・幻覚(30年前に亡くなった祖母が現れ、祖母のための布団を敷く行動が繰り返される)、買い物途中で迷子になる、金銭トラブル多発、買い物・料理のトラブル(火の扱い、同じものを反復して購入し腐らせてしまう、すべて一緒に炒めてしまうなど調理が不可能に・・・)
これで3度目の通院だが、わたしが付き添うのは初めて。母親は過去に病院に行ったことはもちろん覚えておらず、病院の駐車場や病院の受け付けで抵抗を示した。また受付の職員の視線を悪意にとり、怒りを露にした。また私が診察室に同伴するのも嫌がったが、何とかなだめた。医師の質問には素直に答えたのでほっとしたが、記憶の定着がないことはもちろん、季節の認識ができない
ようであった。
アリセプト(塩酸ドネペジル)の副作用も見られないようで、今日から5mgに増量し服用することになった。もちろん父親が管理して母親に飲ませている
今日の出来事について、何とか連想させることで記憶の定着を図ろうとした。帰宅後、病院に行ったことはすっかり覚えていない様子であった。しかし散歩がてら連れて行った田原市内の貝塚のことは覚えていたようだ。これからは少しでも楽しい思い出を作ってあげようと思う。すぐに忘却の彼方に消えてしまうかもしれないが、あきらめないで少しずつでもやっていこうと思う。母親の病気を理解しできるだけ間違いを指摘して叱ったり責めたりしないよう心がけたい。先日父親の目を盗んで自転車に乗って買い物で出ようとしたのを私が押し留めてしまった。一緒に行くからと行っても聞かない母親が乗る自転車を力で制止してしまった。
そのときの悲しそうな母親の目を思い出す・・・。事故などの懸念がありやむをえなかったものの、切なさが残った。こんなことを言えるのもまだ母親の認知症が重度になっていないからかもしれない。30年前認知症のため真夜中に徘徊し、箪笥の中に入れたm○○をむさぼった祖母を見て、「絶対にああはなりたくない」と話していた母親だったが・・・。気丈だった母親だけに言葉にこそ出さないものの、さぞかし苦しんでいることだろうと思う。
父親にも持病があり、今後の生活を考えていかねばならない。介護サービスの利用も検討していかねば・・・。
妻の親、祖父母も女手がなく今後妻の役割が増していくことになりそうだ。しかし障害の息子を抱えている立場にあり、とても支えていくのは無理。公的サービスを今のうちから検討しなければ・・・。こんな状況下での転勤命令はつくづくこたえる。

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